くるくるフォーラム2015 (ニュース再掲載)
          「衣類のリユース・リサイクル」
                           布deエコPT 水川 晶子 
日時:2015年3月12日(土)2時〜4時
場所:千里山コミュニティセンター
参加者:93名

【基調講演】
「衣類のリユース・リサイクルを取り巻く状況」
京都工芸繊維大学大学院 木村 照夫教授
会場様子「木村先生」 今日のテーマの
根底にあるのは、
「持続可能な社会を
作ろう」という事。
サスティナビリティ
(持続可能性)は、
「将来のニーズを損なうことなく、現在の
ニーズを満たす」という事。
 衣料品は年間100万トン捨てられている。日
本の人口1億人で割ると一人当たり10s。日
本のリサイクル率は10〜20%くらい。80%が
埋め立てや焼却になる。容器包装は70%、家電
リサイクルは80%、自動車は90%。繊維製品
だけが多く見積もって20%。リサイクル関連の
法律はいろいろあるが、繊維製品リサイクル法
だけがない。出口がないから作れない実態。
 企業の取組みとして、日本環境設計がコット
ンからバイオエタノールが作れる技術を開発
し、FUKU−FUKUプロジェクト(パタゴニア
や無印良品やマルイなどが参加)を作ったが、
実際回っていない。スイスのリサイクル企業は、
2013年、I:COLLECTO日本法人アイコジャパ
ンを立ち上げた。トップはドンドンアップの社
長で、ここがH&Mとかが回収した衣類を全部
リサイクルすると言ったが、全部はおそらくで
きていない。京都市の取組み「いってらっしゃ
い、おかえりなさい」プロジェクトは帝人の体
操服のリサイクル。小中学校で不用になった体
操服を帝人が回収して再生ポリエステルにし、
また体操服を作るという循環システムを作っ
ている。
 古着のリサイクルの難しさの一つは、素材が
単一ではないこと。また、うまくリサイクルす
るシステムができても、発生量と回収量のバラ
ンスが取れないと回って行かない。
 大学では繊維廃材を集めて、いろんな成形手
法を通じて、商品の開発をやっている。ポリエ
ステルやナイロン、ポリプロピレンは簡単にプ
ラスチック製品になる。最近、研究室の学生と
作った擬木(線維から作ったプラ)製の立派な
舟(長さ3.6m、幅1.6m、重量120s、70s
のボロを使用)を作成したというお話を頂いた。

【事例1】「資源ごみに出された衣類のゆくえ」
         (有)高島産業 高島昌年氏
 「私たちは、リサイクルとリユースを通じて
会場の様子「高島産業さま」地球環境と自然保護
に貢献します」を
理念に掲げています。
吹田市から資源ごみ
として出された古着を
回収していますが、
ほかにも豊中、池田、伊丹などから、
1か月に約25万s〜50万sの
衣服を集めて仕分けしています。「古着ド
ライブスルー」というのは、古着を直接工場に
もってきてもらう買取システム(10円/s)で
す。集められた古着は、中古衣料40%、ウェス
材料20%、反毛20%の3種類に分けます。あ
との20%はリサイクルできないもので吹田市
に戻しますが燃やして電気になっています。
 工場に集まった衣類を約120品目に選別しま
す。100s単位のベールに梱包し、シンガポー
ル、バグラディシュ、ア、アフリカなどへ輸出
します。中古衣料は95〜98%が輸出されます。
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