| なみかわかほこの「私と中国の30年」(17) |
| 中国人は家庭を大切にする |
中国はいわゆる「同工同酬」(男女同一労働同一賃金)で、夫婦共稼ぎ社会です。
退社時間になると、男性も女性もそわそわしだしますし、国有企業の退社風景には目を見張るものがあります。
退社のベルが鳴る前に服を着替え終わり、お風呂にまで(会社共用のシャワーがある)入り終えたりして、自転車の用意も準備万端。いよいよベルが鳴ると脱兎の如く駆け出していく、この光景は働き虫の日本人には驚きです。まさに「帰心矢の如く」。
中国では男女が家事を分担する事はごく普通の事です。
夫婦どちらが夕食を用意するか、どちらが幼稚園へ子供を迎えに行くのかあらかじめ明確に決めておきます。
また夕食を家族揃って食べるのは中国家庭の一般的な習慣です。食卓は一日の情報交換の場として大切にされます。休日には掃除や洗濯買い物や子守を夫婦で協力して片付けていきます。
ちなみに中国には料理上手で妻をいたわる男性が多いように思います。
市場では男性の買い物姿のほうが女性よりむしろ多く見かけるくらいです。
中国の男性は日本の男性より優しい、女性を気遣うなどとよく耳にしますが、もちろん亭主関白の男性もいるにはいますが、日本ほど多くはないでしょう。
しかし「おしん」など日本のテレビドラマの影響を受けたせいなのか、中国の男性は心中密かに「三つ指ついて夫の帰りを迎える日本女性」に憧れるといいます。
中国では浮気や不倫は「一生の恥」とされ、個人的な事でありながら会社で処分を受ける例もあります。まずあからさまに後ろ指を指される事は間違いありません。
妻が裁判所に告訴するより夫の会社に訴え、上司が調停役をして仲直りというケースも少なくありません。
親は身体的に不自由になっても、福祉保障システムが完備されていない中国では、家庭内の介護はかかせないものなのです。
中国に来て感銘を受けたのは、中国人は親類関係が緊密で、家庭を大切にし、親孝行も伝統的に美徳として受け継がれている事です。
だがここ数年、中国の家庭にも大きな変化が見られています。
家電化、核家族化、生活レベルの向上などは表面的なものですが、家庭というものに対する観念の変化から離婚率も上昇しています。
一方、中国人の目から見た日本はどうでしょう。
経済大国、技術先進国、企業の管理と規律に厳しく、創業心・責任感が強い国民。道路もきれい。交通法規を守っている人びと。平等、民主、長寿、高収入の国。勤勉で賢い、礼儀の正しい、努力を惜しまない日本人。
これは一般的な中国人の日本観である。だがその反面悪いイメージも多いようです。
例えば日本政府の要人がコロコロと変わる事、日中戦争の反省が完全にされてはいない事。
また日本人男性への印象としては、ワンマンで家庭を重視せず、歓楽街のカラオケや赤ちょうちんで酒に呑まれ、助平な者が多いなどなど。
他にも、日本人は義理人情が薄く、親戚や兄弟とは疎遠、利己主義、人を殺しても死刑にならない事。日本の物価指数が高い事。
真の友好という面からは、こういった単なるイメージも見過ごせないもの。自戒して中国に対峙していきたいものですね。
(2003年6月出版「私と中国の三十年」より)
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