| なみかわかほこの「私と中国の30年」(14) |
管理職でも任期制(効率を上げる方法)
|
日本人、特にサラリーマンには出世を追及する人が多いようです。
より高く上へ、より多くの人に影響を与える生き甲斐のある人生を送りたいという願望は、ある意味で人間の当然の要求でしょう。
どの国でも男性は女性より出世欲が強いし、中国では昔から帝王の宝座争いが凄まじかったです。
現在でも官職につくためとあればあらゆる手段を使う中国人の例も珍しくありません。我が社でも、「肩書き意識」が強い、中国人は部長など「長」という字に憧れ、その一文字を肩書きに加えるために一生懸命に頑張ります。
しかし一旦それを手に入れてしまうと、それを保つことばかりを念頭に置いて、憎まれず敵を作らないように、口や手を出すことを控えてしまう人も多く、仕事にはなりません。
不正に近い行為をしてまでも役職への安全な道を歩もうとする人もいます。
話によれば、中国の国有企業や事業団体では、局長や部長になると、特別な原因やミスがなければほとんどが終身制となっています。
住宅の面積や収入も職位を歴然と反映する。
このような目に見えた形で差別化を計る社会制度が人々の出世欲を刺激しているのでしょう。
一方「長」になると、偉そうな顔で役職に胡坐をかく人もおります。
顎で人を使い、部下の不平を買うばかり、このような「長」は会社に悪影響を与えるため、任期制を導入し、肩書きの有効期限を決めた結果、大変良い効果があげられました。
一年か半年かの任期を条件に達成目標と規律、罰則を明確にすると本人への圧力となる上、肩書きが収入に繋がるために懸命に働くようになります。
任期満了の際、実績のある人は続投でき、「長」として不合格の人に対しては降格も解任も、さらには解雇もできるようにしました。
このような方式によって会社側は主導権を握る事ができます。
出世欲と並び、上海人の出国願望は特に強い。日系企業の応募は日本に行く目的を達成するためという人が多い。
面接時にはよく日本への出張や研修の機会があるかどうか聞かれます。だがこのような質問者は一切採用しません。
入社動機が不純な人はきちんと職務を遂行せず、急に「日本人の保証人が見つかったので日本留学に行く」と辞職を出す例なども何回も発生したからです。
これは在中国の日系企業にとっては、頭の痛い問題であります。
特に大卒や技術者が突然辞めると、会社の業務計画や収益にダイレクトに影響する場合もあります。
これを防ぐため、新入社員と結ぶ雇用契約に入社初期の辞職を禁止する項目を加え、不履行があった場合の賠償条件の取り決めも交わしておかなければなりません。
出国するために意識的に外国人と接触し、利用できるルートを漁る人もいます。
借金をし、一族郎党に援助してもらってまでも日本へ行きたがる。貧しさかあるいは一攫千金の夢が彼らを後押しするのか、命をかけて密入国する人もいます。
日本では、担い手の少ない「三K(危険、汚い、きつい)仕事」をすれば月三十万円を稼ぐ事ができるといいますが、これは中国人の収入にしてみれば巨額です。
二年間の日本語研修ビザで入国しても期間満了後に、運が良ければ日本で就職先を見つけ、日本に残る事ができますし、二〜三年の留学期間中にアルバイトなどで金をため、中国にもどるとマンションか一軒家が買えるのも大きな魅力。
そして日本人と結婚する中国人女性には、上海人が多いと言われるのも上海人の出国願望の表れかもしれません。
(2003年6月出版「私と中国の三十年」より) |
|