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日本と中国の互いの国に対する印象などをアンケートした「第二回日中共同世論調査」が行われた。日本に対する印象が「良くない」と感じている中国人は42.8%、「大変良くない」が14.1%にのぼったものの、昨年の同調査と比較して「普通」が23.0%から28.2%へ、「良い」が11.0%から13.8%へ、「大変良い」が0.6%から0.7%へとそれぞれ上昇し、全体として中国人の日本に対するマイナスイメージが今年はやや改善したことがわかった。
交流停滞で相互認識に隔たり
世論調査は、日本の非営利組織「言論NPO」(工藤泰志代表)と、中国の北京大学、「チャイナ・デイリー」(中国日報)社との合同で今春行われた。調査結果は8月3,4の両日、東京で開催の「第二回東京―北京フォーラム」で発表された。
日本人の中国に対する印象については「(良い悪いの)どちらとも言えない」との回答が51.5%でトップを占め、昨年の同調査と比べてこの回答は4.7ポイント上昇した。「良くない」は30.8%、「大変よくない」が5.6%だった。
言論NPOの工藤代表は、「日本人の中に中国への関心の薄い人が増えた」と述べるとともに、中国に関心のある日本人の中国への印象が昨年比で「やや悪くなった」が28.6%、「非常に悪くなった」が11.3%となったことについて、「中国は大きな発展を遂げているものの、これからどうなっていくのかわからないという不安の表れではないか」との見方を示した。
相互交流の経験については、日本人は中国を、中国人は日本を訪問したことがあるかとの質問に、訪問したと答えた人は日本人で12.9%、中国人で1.2%にとどまった。また互いの国に知人、友人がいるかとの質問には、「いる」と答えた日本人が17.6%、中国はわずか6.8%となり、両国間の人々の直接交流がまだ限られたものであることがわかった。
9割がメディアで実情を把握 日中間の相互交流の停滞に関連して、世論調査で特徴的だったのは、「互いの国を知るための情報源」についての回答だった。日中双方ともに実に9割の人が「ニュースメディア」から相手国の情報を得ると答えていた。「両国民の直接交流の決定的停滞が、メディアなどの間接情報による認識を一人歩きさせている可能性がある」と工藤代表は強調する。日中は隣国ながらまだ遠い存在であり、両国民の直接交流は少なく、双方のメディアで両国の情報を知る程度である――。こんな現状が、調査で明らかにされた。
調査結果に関連して、日中双方のメディア関係者が出席して行われたフォーラムの分科会では、「日中のメディアは双方の誤解を増幅させている面をもつのではないか」との慶應義塾大学の添谷芳秀教授による問題提起があった。同分科会の日本側司会を務めた朝日新聞ヨーロッパ総局長の木村伊量氏は、分科会の討論の内容について「ステレオタイプの古いイメージで互いが相手を報道することはやめること。また、映画、アニメーションなど相互発信や、テレビ番組の共同制作、交換放映、記者間の本格交流を進めていくなどの点で日中間の共通理解が得られた」と紹介。「相手に自分の姿がどう映っているのかを問う鏡が必要。日中は互いに切っても切れない関係にある。メディアは謙虚になって、互いのナショナリズムを煽り立てないことが重要だ」と述べた。
日本のメディアの中国報道に関する調査では、「日本側に立った主観的な報道」「日中間の対立を強調する報道」と感じている人が日本の一般国民で36.6%、有識者で50.8%にのぼり、報道の客観性に疑問を抱いている回答が比較的高かった。「客観性がある」と回答したのは日本人の一般で33.0%、有識者で29.4%と各々3割程度だった。これに対し、中国は一般の72.0%、学生の47.5%が自国の報道について「客観性がある」と回答しており、自国報道により信頼を置いていることがわかった。
メディア分科会では日本側出席者から、「中国のメディアは多種多様になったとはいえ、歴史認識や政治となると、一枚岩になっている。国内で停刊においこまれるメディアがあるなど、言論や表現の自由に制限があるのではないか」との発言があった。さらに、中国で昨春起こったいわゆる反日デモに関連して「中国国内の日本の商店や大使館が被害を受けたときの、中国側の日本への対応から、日本人の中国に対するイメージが悪化した」との意見も出された。
メディア分科会中国側司会者の中国新聞社副社長・劉北憲氏は、日本側出席者から出た「反日デモ」時の中国の対応についての意見に答え、「過激な行動があったことについて中国国内に知らせる努力が足りなかったと、個人的には思う」と率直な見解を示した。さらに同氏は、今後メディアのあり方について「従来の考えの繰り返しやステレオタイプからの脱却をはかり、客観的にありのままの事実を相手に紹介することが大切。メディア関係者が交流をはかり、互いにありのままの情報が得られるよう努めながら、対立を煽らないことが重要だ」と話した。
「第三外交」で未来の共有を
フォーラム発案者の一人である東京経済大学助教授の周牧之氏は、日本と中国が「分業と協力をふまえたオープンな経済交流によって発展したこれまでの経過と、国内のナショナリズムが強まっている現状」の二極構造について言及。課題の多い日中双方が、未来に向かって知恵を持ち寄り、@変化の現実をみつめるA問題点を出し合うB問題解決のメカニズムを作るC情熱と行動によって解決をはかる、など一連の取り組みをはかることが重要だと述べた。
その上で同フォーラムを「これまでの国家間交流、民間交流とは別個の、第三の交流として位置づけられる」とし、「実際に国の運営に携わる日中双方の財界、官界、マスコミ、学術界のリーダーが直接対話を行い、また政治家も個人ベースで交流に加わることが、日中双方の社会を動かし国を動かしていくことにつながる」と強調した。
今回の日中共同世論調査は日本側が全国の18歳以上(高校生を除く)男女1000人、中国側は北京、上海など5都市の18歳以上(高校生除く)1613人から回答を得た。ほかに日本では有識者アンケートが、中国では大学生アンケートが同時に実施された。
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